『ラッキー』〈2017年 米〉
「ショボくれた男」を演らせたら世界一?、
『パリ、テキサス』『ワイルド・アット・ハート』のハリー・ディーン・スタントンの遺作です。
米南部の田舎街でひとり暮らす偏屈な老人、ラッキー。
コーヒーとタバコで目覚め、出禁の飲み屋の前で悪態をつき、いつものバーで馴染み客と語らう、いつもの日常。
お呼ばれした青空パーティーでとある老婦人を見初めてしまい、思わず立ち上がって起こす行動、彼の生き様を凝縮した小さなクライマックスに不意に胸を突かれます。
こんな映画で人生を締めくくった彼は本当に「ラッキー」な男だったのでは、そんな良作でした。 〈シネマ ジャックアンドベティにて〉